畑仕事を始めたばかりで、どの道具をそろえればよいか迷っていませんか。
鍬やシャベル、移植ごてに長靴、ホースや噴霧器まで種類が多く、用途や手入れの違いまで把握するのは大変です。
この記事では用途別に必須アイテムとあると便利な道具を整理し、選び方のポイントや保管・メンテナンスのコツまで分かりやすく解説します。
耕うん、植え付け・育苗、水やり・散布、収穫・運搬、保管の5つの章構成で、具体的な名称と使いどころを丁寧に紹介します。
まずは基本の必需品をチェックして、続く各項目で最適な道具選びのヒントを見つけてください。
畑道具一覧

これから畑仕事で役立つ道具を一つずつ紹介します。
初心者の方にも分かりやすく、用途や選び方のポイントをまとめました。
鍬
鍬は畝立てや土を切る作業に向く道具です。
力の入れ方や刃の形状で使い勝手が変わるため、握りや長さを確認して選んでください。
シャベル
シャベルは深く土を掘り起こすときに便利です。
柄の素材や先端の形で掘りやすさが変わりますので、作業に応じて使い分けるとよいです。
スコップ
スコップは土や肥料のすくい運びに向いています。
軽量タイプは疲れにくく、重厚なものは固い土に強い特徴があります。
移植ごて
移植ごては苗の定植や小さな穴掘りに最適です。
細かな作業が多い育苗期には、先の形や持ちやすさを重視してください。
鎌
鎌は草刈りや収穫の切り取り作業でよく使います。
刃の手入れをすると切れ味が長持ちしますので、使用後の清掃を習慣にしてください。
手袋
手袋は手を守り、作業効率を上げる基本アイテムです。
- 軍手
- 革手袋
- 防水手袋
- 耐切創手袋
長靴
長靴は泥や水から足を守ってくれます。
サイズや素材で蒸れやすさが変わるため、通気性と防水性のバランスで選ぶと安心です。
一輪車
一輪車は運搬作業を大幅に楽にしてくれます。
耐荷重やタイヤの種類で扱いやすさが変わるので、用途に合わせて選んでください。
レーキ
レーキは表面の整地や落ち葉の掃除に便利です。
金属製は力を入れての作業に強く、プラスチック製は軽作業に向いています。
フォーク
フォークは土をほぐしたり、堆肥を混ぜるときに役立ちます。
先の本数や曲がり具合で作業効率が変わるため、用途を考えて選んでください。
支柱
支柱はつる性の植物やトマトなどの支えに使います。
種類 | 長さの目安 |
---|---|
竹支柱 | 90cm |
鉄製支柱 | 120cm |
支柱セット | 150cm |
麻ひも
麻ひもは植物の固定に向く自然素材の紐です。
風や成長に合わせて結び直すと、茎を傷めずに支えられます。
じょうろ
じょうろは手軽に水やりをする基本的な道具です。
容量やノズルの形で散水の広がりが変わりますので、育てる植物に合わせて選んでください。
ホース
ホースは広い面積を一気に水やりするときに便利です。
耐圧性や柔軟性を確認して、取り回しの良いものを選ぶと楽になります。
ホースリール
ホースリールはホースの保管と使いやすさを向上させます。
自動巻き取り式は片付けが楽で、劣化を防ぐ効果もあります。
噴霧器
噴霧器は液体肥料や農薬の散布に使います。
手動式と電動式があり、面積や使用頻度で選び分けると便利です。
剪定ばさみ
剪定ばさみは枝の切り戻しや花の摘み取りに欠かせません。
切れ味の良いものを選び、切断面がきれいになるように手入れをしてください。
育苗トレイ
育苗トレイは苗を均一に育てるための必須アイテムです。
穴の深さや素材で水はけや生育が変わるため、用途に合わせて選んでください。
不織布
不織布は霜よけや保温、雑草抑制に使えます。
通気性があるため、適切に使うと苗の生育を助けます。
防虫ネット
防虫ネットは害虫の侵入を物理的に防ぐために有効です。
目合いの細かさで守れる害虫が変わるので、被害に合わせて選んでください。
マルチシート
マルチシートは雑草抑制や地温の保持に役立ちます。
色や厚さで効果が異なりますので、目的に応じたタイプを選びます。
肥料
肥料は植物に必要な栄養を補うために使います。
速効性と緩効性を用途に合わせて使い分けると生育が安定します。
堆肥
堆肥は土の団粒化や微生物活動を促す大切な資材です。
自家製の堆肥を作るとコストを抑えつつ土質改善が期待できます。
収穫ばさみ
収穫ばさみは果実や野菜を傷めずに切り取るための道具です。
軽く握れるものを選ぶと長時間の収穫作業でも疲れにくくなります。
耕うん用の道具

耕うんは畑作りの基本作業で、土をほぐし通気性や排水性を整えることが収穫の差につながります。
ここでは鍬や耕運機、フォークなど、実際に使いやすい道具と選び方、手入れのポイントを紹介します。
鍬
鍬は土を掘り起こしたり、畝を作ったりするための基本的な道具です。
片手で扱える小型タイプから、広い面積を効率よく掘れる大型のものまで種類があります。
刃の形状や柄の長さで力の入り方が変わるので、作業内容や体格に合わせて選ぶと負担が減ります。
使用後は泥を落として刃を拭き、時々油を差して錆を防ぐと長持ちします。
耕運機
耕運機は広い畑や硬く締まった土を短時間で処理したいときに力を発揮します。
電動式やガソリン式などがあり、出力や維持費、騒音レベルを考慮して選ぶのがポイントです。
項目 | 特徴 |
---|---|
タイプ | 電動式ガソリン式 |
利点 | 作業効率が高い |
欠点 | 維持管理が必要 |
使用目安 | 中〜大規模の畑 |
メンテナンス | 刃とエンジンの点検 |
使う前には周囲に障害物がないか確認し、説明書に従って安全に操作してください。
購入が負担ならば、農機具のレンタルを利用して試してから決める方法もあります。
フォーク
フォークは深く根をほぐしたり、石やゴミを取り除いたりする作業に適しています。
- 土起こし
- 堆肥混入
- 根切り
- 石拾い
先端の歯数や長さで扱いやすさが変わるため、目的に合わせて形状を選んでください。
レーキ
レーキは表面をならしたり、細かい石や根を集めるときに使います。
金属製のレーキはしっかりならす作業に向き、プラスチックやゴム製は柔らかい土の仕上げに便利です。
刃が曲がったり歯が欠けたりしたら早めに修理や交換をして、作業効率を保ってください。
土壌pH計
土壌pHは作物の生育に大きく影響するため、定期的な測定が重要です。
試験紙タイプや電子式のpH計があり、電子式は精度が高く数値管理に向いています。
測定は植え付け前と生育期に一度程度行い、必要に応じて石灰でpHを調整してください。
酸性を強めたい場合は硫黄資材を用いるなど、改善策を検討すると効果的です。
植え付けと育苗で使う道具

植え付けと育苗は、収穫の良し悪しを大きく左右する重要な工程です。
ここでは、家庭菜園から小規模農家まで役立つ基本的な道具を分かりやすく紹介します。
移植ごて
移植ごては苗を植え付ける際に土を掘り、穴を整える専用の道具です。
刃先が細めのタイプは深めの植え付けに向き、幅広のものは土塊を扱いやすい特長があります。
柄の長さや握りやすさで疲労度が変わりますので、実際に手に取って選ぶことをおすすめします。
使用後は土を落として乾燥させ、刃先に油を薄く塗るなどして錆を防いでください。
育苗トレイ
育苗トレイは種まきや苗の初期生育に使う基本アイテムです。
素材や深さによって水はけや保温性が変わるため、育てる作物や温度管理に合わせて選んでください。
- プラスチック製
- 発泡スチロール製
- 深型トレイ
- 浅型トレイ
- 底穴あり
複数回使う場合は清潔に保つことが重要で、病害の持ち込みを防ぐために消毒を行ってください。
セルトレイ
セルトレイは個別の小部屋で苗を育てるため、根の干渉を減らして移植時のダメージを抑えます。
セル数や一つあたりの容積で育苗の管理方法が変わるため、育てる植物の性質に合わせて選んでください。
セル数 | 用途例 |
---|---|
4セル 6セル 8セル |
大株の苗向け 中程度の苗向け 小さめの苗向け |
32セル 72セル 128セル |
多品目の同時育苗向け 一般的な苗育成向け 非常に小さな種子の育苗向け |
根域が小さいほど水やりの頻度が上がりますので、管理の手間も考慮して選ぶと良いです。
ポット
ポットは育苗後の一本立ちや移植前の苗管理に使う容器です。
ビニールやプラスチック、紙製など素材により通気性や廃棄方法が変わりますので用途に合わせて選んでください。
底にしっかりと排水穴があるものを選び、過湿を防いで根腐れ対策をしてください。
マルチ穴あけ器
マルチ穴あけ器はマルチシートに均等な間隔で植え穴を開けるための道具です。
手動のローラータイプは小規模向けで、トラクター取り付け型は大面積の作業に適しています。
植え付け間隔や穴の大きさを事前に計画し、作業効率を高めてください。
水やりと散布の道具

畑仕事で最も出番が多いのが水やりと薬剤散布の道具です。
適切な道具を選べば、水のロスを減らし、病害虫の発生を抑えることができます。
じょうろ
じょうろは苗や鉢周りへ狙って水を掛けるときに便利な道具です。
口の形状や容量で使い勝手が変わりますので、散水量と作業時間を考えて選んでください。
細かいシャワー状にできる「ローズ」タイプは土を均一に湿らせやすく、葉に直接水が掛かるのを避けたいときに向いています。
ホースリール
ホースリールはホースをすっきり収納でき、作業の効率を上げます。
種類 | 特長 |
---|---|
壁掛け式 | 場所を取らない 常設向き |
据え置き式 | 移動が容易 耐久性あり |
軽量巻取り式 | 家庭菜園向き 扱いやすい |
ホースの長さや耐圧性を確認し、使用環境に合ったリールを選ぶと取り回しが楽になります。
噴霧器
噴霧器は殺虫剤や葉面散布肥料を均一に散布するための必須アイテムです。
持ち運びのしやすさや噴霧の細かさで種類を選ぶと作業効率が上がります。
- 背負い式
- 手動ポンプ式
- 電動式バッテリータイプ
- ノズル交換式
散布時は使用薬剤の希釈濃度と安全装備を守り、風の強い日は作業を避けることをおすすめします。
ドリップチューブ
ドリップチューブは点滴式の灌水で、水を根元にゆっくり供給するための配管です。
設置は畝に沿って配管を敷き、間隔や穴の流量を調整するだけで済みます。
水圧やフィルター管理を適切に行えば、水の節約効果が高く、育成ムラを減らせます。
冬期の凍結対策としては水抜きと保管を忘れないでください。
散水ノズル
散水ノズルは散水パターンを変えられるため、苗床から広い畝まで使い分けができます。
回転ノズルや扇形ノズルなど、用途に合わせて交換できるタイプが便利です。
定期的にストレーナーやOリングを点検し、詰まりや漏れを早めに直すと長持ちします。
収穫と運搬の道具

収穫と運搬に使う道具は、作業効率を左右する重要なアイテムです。
作物の種類や量、畝の形状に合わせて道具を選ぶと、体への負担を減らし、収穫ロスを抑えられます。
収穫ばさみ
収穫ばさみは、茎やつるを切って果実や葉を傷つけずに取り外すための道具です。
刃の形状や開閉方式で切れ味や使い勝手が変わるため、扱いやすさを重視して選ぶとよいです。
手入れを怠ると刃こぼれや錆が発生しやすいので、作業後に拭き取りと油をひと塗りして保管してください。
選び方のポイントは次のとおりです
- 刃先の形状
- グリップの材質
- 全長と重量
- 替え刃の有無
収穫バスケット
収穫バスケットは、摘み取った作物を一時的に入れて運ぶための容器です。
通気性や衝撃吸収性がある素材を選ぶと、果物や葉物を傷めずに運べます。
腰に掛けるタイプや肩掛けタイプ、手持ちタイプがあり、作業スタイルに合わせて使い分けると便利です。
コンテナ
コンテナは大量の収穫物を集めて運搬する際に重宝するアイテムです。
サイズや素材で耐久性や積み重ねのしやすさが変わるため、用途に合ったものを用意してください。
サイズ | 推奨作物 | 素材 |
---|---|---|
小 | 葉物野菜 | プラスチック |
中 | 根菜類 | プラスチック |
大 | 果菜類 | 木製 |
軽量で洗いやすいプラスチック製は日常使いに向いていますが、重さのある収穫物を頻繁に扱う場合は強度のある素材を選ぶと安心です。
一輪車
一輪車は土や肥料、収穫物をまとめて運搬する際に最も効率が上がる道具です。
タイヤの太さや耐荷重で走行性が変わるため、畑の土質や荷量を考えて選んでください。
空気入りタイヤは段差やぬかるみに強く、ノーパンクタイヤは手入れが楽です。
使用後は泥や植物片を落としてから保管し、車軸やタイヤの点検を定期的に行ってください。
道具の保管と手入れ

畑仕事が終わったら、まず泥や草を落とし、乾いた布で拭いてから収納してください。
刃物は研ぎ、金属部分には薄く油を塗って錆を防ぎます。
木柄の道具は湿気を避け、風通しの良い場所に吊るすか棚に置くと長持ちします。
長靴や手袋は陰干ししてから収納し、土や汚れは洗って落としてください。
肥料や農薬は専用の容器に入れ、子どもの手の届かない場所で保管しましょう。
定期点検を行い、破損があれば早めに修理または買い替えることをおすすめします。